キケンなアイツとの生活
「だって〜?幼なじみの蒼甫くん?」
「………」
「も、もう。冬弥さん、いいでしょ!?あまり蒼甫のことイジメないでよ。蒼甫ごめんね、夏紀さんもイヤな思いさせてたら、ごめんなさい」
「い、いえ!わたしは、全然っ」


冬弥さんってば、なに考えてるんだか…。蒼甫は黙っちゃうし…。もう…!


「行くよ、愛梨」
「え?えぇっ?!なんだったの!」
「んー、イルカ見たくなった」
「イルカって…」
「愛梨、キライなの?」
「いや、好きだけど!」


ホント、意味わかんない…。急にイルカって!確かにイルカは見たかったけど!


「あ。今日は愛梨の作るナポリタンだろ?」
「え?あ、そうだね…って、冬弥さん。千夏さんに連絡してるよね?」
「いーや、してない。忘れてた」
「はぁ?忘れてた、って!また、心配するでしょ?!」


んもぅ!急に水族館行くってなって、浮かれてたけど…。千夏さんに連絡はしてると思ってたよ…。って、考えてる場合じゃない!連絡しなきゃ!


そう思って、携帯を出したわたしの手を冬弥さんが止めた。


「なぁに…?」
「なぁ、このままこの前みたくホテル泊まっちゃう?」
「え?」
「なーんてな、ウソ。愛梨はまずアレに慣れてもらわないと」
「アレ?……って、バカ!」


まさかの〝アレ〟にハッとした時には、冬弥さんは千夏さんに電話をかけていて、わたし一人で顔が火照るのを感じてた。


そんなわたしに、さらに衝撃的な出来事が起こった…。


< 160 / 167 >

この作品をシェア

pagetop