キケンなアイツとの生活
首を傾げたオレに、愛梨は言った。


「ここにいたくなくなったから」
「へぇ~」


オレとは、いたくないってことね。


そんなにカワイイ顔で睨み付けちゃって。


思わず笑みが零れるオレを無視して、愛梨は歩き出した。


ただし、部屋がない方向へ…。


「愛梨」
「付いてこないでくださいっ!!」
「待って、って言ってるだろ?」
「ひゃっ!ちょ、離して!!」


オレが愛梨の腕を掴むと悲鳴を上げ、腕をブンブンと振った。


「あのね、そっち行っても部屋ないから」
「え?」


ホントに方向音痴なんだなぁ。


「オレと二人っきりになりたいってんなら、話は別だけど?」
「……っ、」


大きな目が、さらに大きくなった。
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