キケンなアイツとの生活
「頑張ったじゃん」
「……っ、」


千夏さんが涙を流す中、黙ってジッと見てたわたしのトナリに冬弥さんが来て、大きな手で頭をポンポンとリズムよく撫でられた。


「思ったこと、言っただけですもん」
「だから、それが頑張ったんでしょ?」


クチビルを尖らすわたしに、どこか笑いながら冬弥さんは頭を撫でることをやめなかった。


「でも、まだ高校生なんだし、母さんと楓太さんのこと無理しなくてもよかったのに」
「……ママと約束したから」
「愛梨?約束、ってなんだ?パパは聞いてないぞ」


千夏さんが泣いてしまった時、パパは千夏さんのところへ行ったのに、わたしの声がパパに届いたのかパパは、わたしの顔を心配そうに覗いてきた。
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