キケンなアイツとの生活
「愛梨ちゃん？」
「あっ、ごめんなさいっ！！食べたいもの、ですよねっ」


ママのことを思い出してると、千夏さんが心配そうに顔を覗き込んできた。


今は千夏さんと一緒にいるんだから、ママのことはちょっと置いておかないと…。


「愛梨ちゃんのママは、なに作ってくれたぁ？」
「え、ママ…？」


今、ママのことは置いておこうとおもってたのにな。


「ねぇ、愛梨ちゃん？あなたはまだ高校生よ。大人かもしれないけど、まだ十代でしょ。わたしに遠慮しなくていいの。再婚したら、母親になるかもしれないけど、わたしは愛梨ちゃんとは姉妹みたいな関係でいたいなって」
「姉妹…？」
「そう。歳はすごい離れてるけど、なんでも話せるようなお姉さんになりたいなって」


千夏さんの言葉に少しだけ、軽くなった気がした。そうだ、母になるって思うから、変に構えちゃってるのかもしれない。


でも、年上のお姉さんって考えたら、全然楽になる。そう思ったら、考えるよりも先に口が動いてた。


「千夏さん…」
「ん？」
「ハンバーグ、食べたい」
「、分かったわ！じゃあ、今日はハンバーグにしましょ」
「うんっ！」


一瞬、千夏さんは驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になってくれた。


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