キケンなアイツとの生活
そう言って、ガッシリと掴む大きな手。


「わかんないけど、冬弥さん見たら逃げたくなったの!」
「うわ、ひどっ…」
「てか、勝手に来ないで!目立ちたくないの!」
「あー。オレ、イケメンだからねぇ。目立っちゃうよねぇ」
「………」


自分でイケメンって言っちゃってるよ…。


「愛梨を待ってる時もね、いろんな子たちが電話番号くれたよ」
「は?」


電話番号って…マジですか…。


「今時の高校生って、みんな積極的なんだねぇ」
「ちょっと待って!電話かけるつもりですかっ?!」
「んー、どうしようかなぁ?」


どんだけオンナ好きなのよ…。やっぱり、わたしを迎えに来るふりして、オンナの子探してるだけじゃないのっ。ホント、クソだな。


「これから毎日、送り迎えしてもいいなら、かけない。この紙全部捨てる」
「はい…?」


いやいやいや、おかしくない!?毎日送り迎えしてもいいならって、普通そんな条件出す?!


「……べつに迷惑かけないなら、電話すればいい。なんで毎日送り迎えされなきゃいけないの」
「えー?ひどいなぁ。そこは〝わたしのために紙処分して?〟でしょー」
「はぁ?」


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