エデンの林檎
「よし、じゃあ帰るか。
星野、家まで送ってやるよ。」
「え、いや、大丈夫ですよ。一人で帰れます。」
「いや、遅くまで引き留めちゃったから担任として責任取らせて。な??」
「そこまで言うなら…。
でも、おとう…理事長に見つかっても知りませんよ??」
「大丈夫だよ。
オレ、要領いいし。」
要領って…。
関係あるのかな??
私は笑いたくなるのを必死でこらえた。
「じゃあ、オレ駐車場で待ってるから。」
「はい。」
先生は鍵を指でくるくる回しながら音楽室を出て行った。