愛してるの定義(ヒカリの直後)
六階に到着すると、再びエレベータから引っぱりだされる。
そのまま突き当たりの部屋まで、引きずられるように連れて行かれた。
結城は鍵を開けて、奈々子を部屋に入れる。
奈々子は部屋を出ようとしたが、彼の身体に阻まれた。
両腕を押さえられる。
手に持っていた空の缶が、玄関に落っこちた。
再び唇を奪われる。
息ができない。
「やめて……くだ……さい」
奈々子は途切れながらも、そう訴えた。
「嫌だ」
結城はそう言うと、奈々子のコートをはぎ取った。
そのまま結城は奈々子をリビングへと引っ張って行く。
乱暴にソファの上に押し倒した。
「どうして?」
結城な奈々子の両腕を右手で抑え、左手でカーディガンのボタンを外して行く。
「やめて」
奈々子は結城の目を見て懇願した。
「セックスしたいだけなんですか?!」
結城は無言だ。
「わたしじゃなくても、須賀さんは誰とでもできるじゃないですか!」