Doll


プリクラは見る見る燃え、地べたに灰となって落ちていった。
彼女はそれを確認すると、足でギリッと踏み潰す。

一緒に写ってた男を恨んでるのか?


「女だって似たようなもんじゃないか」

挑発するように言うと、彼女はぼくを睨み付けてから またイヤホンを耳に充てて歩き出した


「あのさ」


「また、あの時と同じ時間にあの服屋の前でぼく、待ってるから」


「また、君と逢いたい」


ぼくは 自分でもよくわからない言葉を途切れ途切れ発した。

孤立を好むような、まるで一匹狼のような 彼女を放っては置けなかった



―――というのは苦しい建前で...



「わたしに逢いたいの?」



...その通り、です。


ぼくは ゆっくり歩く彼女の後ろ姿を視線でいつまでも追っていた
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