嘘つきなワタシと年下カレシ【完】
毎朝行く公園で、見かける女性がいた。
俺が行くといつも、ベランダでコーヒーを飲んでた。
悲しげな瞳が印象的で、すぐにでも抱きしめたくなるような女性だった。
まさか、その女性が毎日俺を見るためにベランダに出ていたとは知らなかったけど。
俺は椅子の背もたれに寄りかかった。
「佐々、補習がどうとかって聞こえたけど」
俺しかいない自習室に相田先生が入ってきた。
ふわっと風にのって、コロンの甘い匂いが鼻についた。
この匂い、嫌いだ。
路上で一度だけ……嗅いだ。
今にも泣き出しそうな表情で歩いていたまりなさんの身体からも、同じ匂いがした。
だからわかった。
この二人、男女の関係だ、と。
相田の指輪を見て、最悪だと胸やけをおこしたけど。
「補習?」と俺は首を傾げた。
「山村さんに聞いてなかった?」
聞いてたのかよ。最低な男だな。
「聞き間違いじゃないですか?」
「だよな。佐々の成績なら補習はいらないはずだ」
「ええ。補習はいりません」
俺はシャーペンを左手に握ると、相田先生の顔を見上げた。
俺が行くといつも、ベランダでコーヒーを飲んでた。
悲しげな瞳が印象的で、すぐにでも抱きしめたくなるような女性だった。
まさか、その女性が毎日俺を見るためにベランダに出ていたとは知らなかったけど。
俺は椅子の背もたれに寄りかかった。
「佐々、補習がどうとかって聞こえたけど」
俺しかいない自習室に相田先生が入ってきた。
ふわっと風にのって、コロンの甘い匂いが鼻についた。
この匂い、嫌いだ。
路上で一度だけ……嗅いだ。
今にも泣き出しそうな表情で歩いていたまりなさんの身体からも、同じ匂いがした。
だからわかった。
この二人、男女の関係だ、と。
相田の指輪を見て、最悪だと胸やけをおこしたけど。
「補習?」と俺は首を傾げた。
「山村さんに聞いてなかった?」
聞いてたのかよ。最低な男だな。
「聞き間違いじゃないですか?」
「だよな。佐々の成績なら補習はいらないはずだ」
「ええ。補習はいりません」
俺はシャーペンを左手に握ると、相田先生の顔を見上げた。