【完】恋のキューピットは山田君!
ジト目で私を見てくる愛璃。
……そんなことないと思うんだけど。
それから、頼んだバナナパフェがやって
くると、愛璃が本題を切り出した。
「さあ白状なさい!美姫ちん、一体どう
したの!!」
フォークを私に突き付けながら、私にそ
う問いかける愛璃。愛璃の今の心情は、
さしずめ、敏腕女探偵ってとこか。
「白状もなにも……質問が漠然としすぎ
てて……。ていうかフォークを人に向け
ないの」
そう言うと、愛璃は唇を尖らしながら、
フォークをバナナに刺した。
「そうやって誤魔化すんだ……美姫ちん
は、親友の私に隠し事するんだ……」
「や、そういう訳じゃないけど」
「じゃあなんで急に、チョコレートを作
ろうと思ったのか教えてよ」
「……それは、」
好きな人が、出来たから。
だけどそんなこと、恥ずかしくて言えな
い。
だから私はちょっと笑って。