【完】恋のキューピットは山田君!
山田君の言葉にショックを受けていると
、山田君が困ったように笑った。
「良かったじゃん。俺が消えたら、せい
せいすんだろ?」
「それは……っ、」
「俺だって……これ以上ここに居たら、
禁忌を犯しそうで……」
「禁忌……?」
禁忌ってなに、と山田君を見上げるけど
、山田君は曖昧に笑うだけだった。
……どうしよう。
ずっと山田君のこと、迷惑だって思って
たけど……でも、離れて欲しくない。
山田君が居ない毎日なんて、味気ないに
決まってるのに。
「お前、明日フラれたら承知しねーから
な!俺の給料が減るんだぞ!」
なんて、いつもの調子で笑ってる山田君
。
だけど私は、笑えないよ……。
山田君が居なくなっちゃうなんて、そん
な事、考えたこともなかった。