【完】恋のキューピットは山田君!
「百千さーーーんっ!!」
急に、そんな声が聞こえてきて、ダダダ
ダッという地鳴りと共に、一気に女子に
囲まれた。
「おはようございます、百千さん!」
「お、おはよう……」
驚きつつも挨拶を返すと、私を取り囲む
女子が、一斉に何かを差し出してきた。
女の子達の手には、可愛くラッピングさ
れた箱や袋。
そこから漂ってくる甘い香りから、それ
がチョコレートだと推測出来る。
差し出されたチョコレートを、一人ずつ
受けとる。
「ありがとう、皆」
そう微笑むと、女の子達は、キャーっと
騒ぎながら去っていった。
そして、自分の席に行くと、机の中にも
いくつかチョコレートが入っていて。
授業が始まる頃には、鞄がチョコレート
でパンパンになっていた。