【完】恋のキューピットは山田君!
そして、放課後。
チョコレートで膨れ上がった鞄を抱えな
がら更衣室に向かう私に、山田君が呆れ
た声を出してきた。
「おいおい、お前、大川にどんだけチョ
コレートあげるつもりだよ」
……ってアホか!!
「そんなわけ無いでしょ!これは皆が私
にくれたんだよ。山田君だってどうせも
らったんでしょ!」
「いや、全部断ったけど」
サラリとそう言った山田君に、思わず目
を見開く。
……断った?
「な、なんで……」
「だってその気持ちには答えられねーも
ん。無駄に期待させたら、可哀想だろ」
「……お、おお…」
「いやなんでちょっと引いてんだよ」
ベシッと頭を叩かれる。
「だってなんかまともな意見が返ってき
たから」