ひだまり



飴玉を受け取ってお礼を言う。


「清水から聞いたよ」


「え?」


突然出てくる清水の名前に反応して彼を見つめると、彼は言った。


「清水、何でも知ってるよな。お前のこと」


彼の言いたいことが解らず、首を傾げる。


彼は笑って言う。


「俺ももっと知りたいんだけど。川崎のこと」


「…え?」


「俺、川崎のことマジで好きなんだけど」


もう一度差し出された手には、小さな小さな箱が載っていた。


『St.White Day』


三月十四日。


今日はホワイトデー。


「付き合ってくれる?そしたらこれあげるから」


いつもの冗談のようなノリだけど、顔が真っ赤な山崎くん。


あたしは胸がいっぱいになって、頷く。


嬉しすぎて涙も溢れる。


「何で泣くのさー」


山崎くんがからかうようにあたしの頭を撫でる。


「ずっと………ずっと好きだったんだからね」


やっとのことであたしが言うと、山崎くんは驚き顔。















やっと繋がる二人の気持ち。


あたしの指には今日も、幸せの小さな指輪。









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