My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
しかし、歩み寄ったその場所に彼女の姿はなく
白く美しい建物が月明かりに照らされて、そこにあるだけだった
いない―――。
分かっていた事だけど
心の中の淡い期待が砕かれて
そのまま立ち尽くす
――どうしてだろう
会えないと分かると
もっと、会いたくなる
もう一度、その瞳を見たくなる
「やっぱり...夢だったのか」
小さく自嘲気にそう呟いて、天を見上げる
すると