My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
どこか冷たさを孕んだ声を聞いて、思わず足を止める
これ以上近づくと、彼女が消えてしまいそうで――
感情のない瞳で、じっと俺を見つめる彼女
それでも、突然ふっとその瞳を伏せた
「――違う」
もう一度繰り返されたその言葉が、静かに耳に届く
どこか、悲しげに――
「――じゃぁ..君は」
「王家に仕える者だ」
首を傾げた俺に、もう一度瞳を上げて
淡々とそう言う彼女
音もなく、その白く美しい衣が宙を舞う