My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
心の中に小さく芽生えた感情
帰りたいと強く願うのに、その小さな感情が俺の心を縫い付ける
そう・・・
俺は心のどこかで思っている
その日が来なければいいと思っている
あの国へ帰る日が来なければいいと――。
彼女の剣が上達する度に、心に寂しさが募る
そんなに急いで上手くなるなよ
そう、言ってしまいそうになる
これ以上、この気持ちが大きくなるのは良くない事は分かっている
それでも、彼女の声が聞きたくて
彼女の姿が見たくて
彼女に会いたくて―――。
俺は毎夜、この花の香りを求めてやってくる
まるで蜜を求める蝶の様に