My Precious ~愛する人よ~ Ⅰ
◇
「――・・・ア‥様」
耳元で、微かに声がして意識が少し戻る
それでも、鉛の様に重たい瞼は開こうとしおない
「・・・ん」
「――・・・アレン様」
まるで天使が囁く様に
美しい声が耳に注がれる
「父...さん?」
夢うつつのまま、重たい瞼を少し持ち上げる
すると、ぼやけた視界が徐々に色を取り戻して
目の前に人影がぼんやりと映し出された
美しい白の衣と
艶めく茶色の髪を風になびかせて
俺を見つめている