秘密な蜜愛




…君だけじゃない。



ありのまま伝えられたらきっと楽に違いない。

けれど、今の“幸せ”を崩す事など、お互いできやしない。

だからこそ、この関係が丁度良いんだ。


愛しさを体のみで表現する、このやり方が。





「…もう、3時か。」




明日は社員の結婚式がある。

幸せに包まれるその場に、こんな俺が足を踏み入れていいのかと苦笑いが漏れるも、立場上避けては通れない。


スースーと規則正しい寝息を立てるその姿に隠れるようにキスを落とし、俺はゆっくり瞼を閉じた。





=それぞれの蜜愛④~END~=

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