144のカウントダウン
最終章

第17話〜変わらないもの〜

当日!

「みんな~!遅れてごめん!」

神社の前、3人ともとっくに来ていて、案内役のアタシが最後に到着。

「おせえよ。」

一番はやく言葉を返してきたのは理央だった。
それから、2人も

「あー、今日チョー暑いのに待たせるとか。マジ有り得ねえ!」

「サクちゃん!焼けちゃったらサクちゃんのせいだからねえ~?」

「ごめん、片付けが・・・さ。」

ここで、部屋が散らかっていたと自分でばらしてしまう。
3人とも苦笑・・・。

「もー!いいから、いくよ!」

今日は、今年の夏イチバンの最高気温。
雨上がりのせいか、ジメジメと蒸し暑い。

=20分後=

「さあ、付きましたよぉ~!」

真夏の日差しが容赦なく照りつける中20分も歩いたせいか、みんなくたくただ。
日射病になる勢いだ。

「水!みずぅ~!水をくれえ~!」

光は苦しそうなジェスチャーをする。
しかし、ふざけているのか。本気なのか。いまいちわからない・・・・。

「アイスあげるから、まあ、あがってよ。」

玄関を開ける。
姉がエアコンを使っていたせいか別世界のように涼しい。

「おじゃましま~す。」

「お邪魔しますぅ。」

「おじゃましまーす・・・・。」

遠慮がちに挨拶をしながらも、みんな『生き返った~!』とでも言いたげな満面の笑みだ。
部屋が2階にあるため、階段を上がろうとすると・・・。

「お?もう来てたんかぁ~!」

のんきな姉。奈々緒が顔を出す。

「今、来たばっかりだよ。」

アタシがうるさそうに返事をすると

「かき氷!もってってあげるね!」

妙に機嫌が良いらしい、

「ん。よろしくね。」

アタシ達は足早に階段を駆け上がる。


「アタシの部屋!ちょっと散らかってるけど。適当にすわって――。」

と、アタシがいうまでもなく。
みんな好き勝手にくつろいでいた。

カノちゃんはアタシお気に入りの座椅子。
理央は、アタシの勉強机とセットの椅子。
光はベットの上。

「ねえ、何話す??」

真っ先に言い出したのは光だった。
アタシはしょうがなく床に足を延ばして座る。

「なんでも良いよ~♪」

「ん。」

「なんか、話して。」

3人に適当な返事を返された光は、どうも「やっちゃった~。」といった、動揺の表情を浮かべている。

「あ、そうだ・・・。」

アタシはしょうがなくフォローを入れる。

「カノちゃんとぉ、光ってえ、なんか進展あったぁ?」

「え?」

「進展って?」

2人は、戸惑いを隠そうと即答する。

「例えばぁ・・・2人でなんかした。とか?」

「あ、俺も聞きたい。」

アタシと理央に迫られるカノちゃんと光は一気に赤面!
理央は『なんかあったなこりゃ・・・。』と悟り、ニヤニヤし始めた。
アタシもつられる。

「べ、べつに?」

「そぉーだっ!お前らこそどうなんだよ!」

半分、怒り気味の2人は標的をアタシと理央に向けた。

「べつに?なんも・・・。なあ?」

「うん、そーだよ。別に何にも・・・。」

理央にいきなりフラれて、びっくりしながら合わせて答える。
そこで、カノちゃんと光は目を見合わせ、うなずき合った。

「うそだろ?」

「おしえてよ~!」

「なにもないんだってば!」

「うん。」

それでも、カノちゃんは引こうとしない

「わかったぁ!『ちゅー』したでしょ??」

さすがの理央も無言だ。
アタシも答えられずに、ただ顔を赤く染める。

「やたっ♪ビンゴ!」

「でかした、花音!」

カノちゃんと光あ、赤面するアタシ達をよそにハイタッチをする。

「し…!したよっ!それがなんだよッ!」

理央は、恥ずかしがりながら反発する。

「そっ!そーだよ!2人はやったの!?」

すると2人は恥ずかしがる素振りも見せず

「うん♪」

「もち。」

と、答える。
すると、そこに…
かき氷を持ってきた姉が入ってくる。

「わあ、みんな大人だねえ?」

と、一言。

「あ!奈々緒ねえ!」

理央とアタシが赤面するなか、カノちゃんと光は・・・。

「いえいえ。サクちゃんと理央くんのほうがステキですよぉ~!」

と社交辞令。

「でも、カノちゃんって理央くんのコト好きだとか思わないの?」

「えー?そりゃあ、思いましたよぉ?」

アタシと理央は『おいおいおい・・・!』と、顔を見合わせたが、光とカノちゃんは、あくまで想定内。と言う風に余裕の笑みだ。

「でもですね?今は光くんのコトすごく好きだし。サクちゃんと理央くんがあ幸せになるなら、
もちろん応援するし!」

光とカノちゃんは笑いあいうなずき合う。

そう、アタシ達の絆は変わらない。
どんなにぼろぼろになったて。
どんなに壊れかけたった。
どんなに苦しい中であっても。
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