144のカウントダウン

第8話〜秘密の会話〜

(語り手:光)

放課後。理央に呼び出された。「早めに校門にこい」と。
何があるのか、まったく見当もつかない。
どうせ、課題も終わっていたし、迷惑でもなんでもないのだが・・・。

「光。」

「お。理央・・・。なんか用?」

「まあな・・・。」

理央はいつも冷めてるように見える。今でこそ『親友』と言えるが、前は冷めた感じが嫌いで
小5のとき、同じクラス。同じ班。になったときはついてないなあ。と思った。

「なあ、単刀直入に聞いていいか?」

「な、なんだよ理央。かしこまって・・・。良いに決まってるじゃん。」

とは言ったものの理央の単刀直入は『単刀直入の中の単刀直入』配慮のかけらもない。
なので、すこし身構えた。

「お前――。」

「?(ゴクリ)」

「花音のコト、好きだろ。」

「・・・!」

一瞬、言われてる意味がわからなかった・・・・。
が、

「は!お前何で知って・・・。あ!ちが!\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」

「まあ、落ちつついてくれ。本題は、こっからなんだ・・・。」

「アホウ!落ち着けるか!!」

あれ、咲来が漏らした?

「ちなみに、誰かに聞いたとかではないから。安心してくれ。」

余計安心できねーよ!
怖いよお前!理央!

「花音。たぶん俺のことすきなんだ。」

「はあ?ブラックジョークかよ・・・。」

理央が趣味悪いとか、言いたいわけじゃない。
でも、認めたくない。

「咲来が、聞いてきたんだよ。」

「サク・・・!なんて??」

「・・・。『花音のこと、どう思う?』って」

「そうかよ。」

咲来のやつ。言ってくれればよかったのに・・・。

「俺は『優しいヤツ』って言ったけど、告られても、付き合わない・・・。」

「!」

「まあ、光には安心しろって言いたくて・・・。」

オレは無我夢中に理央に服の襟をつかんだ

「オレのために花音と付き合わないとか・・・!まじでやめろっ!」

「・・・。」

「花音が幸せになるのが、一番なんだよっ!」

「あんな。俺は、咲来が好きなんだよ。それに花音はお前が幸せにしてやりゃあいいだろ?」

オレはいつの間にか襟から手を放していた―。
うっわあ~。こいつ、なんの前触れもなくげえカンミングアウトしたよ・・・。

「恥ずかしくないのか?理央。」

「なにが?」

「そ、その、さ。咲来を・・・。好きとか、ゆう、の・・・。」

「べつに・・・。」

うっわああああ!聞く方が恥ずかしいってなんなの?これ!?

「じゃあ、作戦があるんだ。もう一人の協力者もいる・・・。」

「作戦?協力者?」

理央は満足げに口元を緩めた。
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