花嫁指南学校

 二人は何も話さずに川べりの道を引き返した。家までの道のりは往きのそれよりも長く感じられた。

 
 それから、幸恵が元恋人に復縁を受け入れる電話を入れることはなかった。また、青年に何度か乞われてもその首を縦に振ることはなかった。

 そういえばカメリア時代に福芝女史が言っていた。講義の中で男女の縁について言及していた彼女は「何事もタイミングが大事なのです」と説いていたものだ。学校で学んだことは決して無駄なことではなかったようである。


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