綴られた恋物語

彼とわたしは初めて会った駅から歩いて5分の河原に座り込んだ。

そして、話しあった。
今までのこと、今のこと、別れた理由のこと。
全部話したらわたしは泣いていた。
彼ももう最後だからと、涙を拭い、抱きしめてくれた。

そのときわたしは気が付いた。
こんなにも彼が好きだったということを。
でもね、気付くのが遅すぎた。
もう彼がわたしのところに帰って来ることはないと、聞いたから。

本当にわたしは気付くのが遅すぎた。
もう少しはやく、会って話していれば、
こんな辛くて寂しくて、悲しいことにはならなかったのかな。

わたしはこのときほど、
自分の鈍さを呪ったことはなかった。


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