チャット恋愛注意報!!(旧)


殴り書き、だ。

勢いで送ってしまえ!! といった感じの文章。


まさに、ユージっぽい。




「……ユージも、人見知りなんだ」




画面を見つめながら、小さな小さな笑みを浮かべる。

あんなにアホなことを言ってるユージが、実は人見知り。

私に気を遣って、そう言ってくれただけかもしれないけれど……でも、その言葉は私の心をほんのりと温めた。




「それが俺!! ……か」




ユージは凄いな。

ネットとリアルが違うとしても、それでも『それが俺!!』と言える。

自分のことを、ちゃんと見つめることが出来ている。




「……私は、私……」




ユージと同じように、『それが私!!』と言えるくらい強くなりたい。


……みんなと会えば、強くなれるだろうか?


地味な私と社交的なサクラは全然違うけど、でも。

どちらも私。 それが、私……。




幽霊になりかけていた私の元に届いたユージからのメールは、私の心を温め、そして、ほんの少しだけ強くした。

画像を保存し、そのあと、ノートにペンで文字を書き、撮影。

その画像をパソコンへと送り、ユージにメールを返信した。




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 私も人見知りで全然話せないと思う。

 けど、みんなと会いたい。

 リアルでも笑い合いたいって思ってるのは、

 事実だよ。

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そのメールに対する返事は、また画像だった。

それは、部屋の電気に向かってピースする左手。

言葉はないし、ユージの顔は写っていないから、彼の気持ちもわからない。


だけど私はそれを見て笑い、その画像と同じようにピースした写真を添付して、メールを送り返した。


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