夏のカケラ
胸に刻み込む
前の試合が終わり、僕らはベンチに入った。


真夏の日差しは天高い位置にあり、僕らを照らしつける。


僕は今日の試合、五番を打つ。

四番はアキラであった。

カズは二番。

僕らは試合が待ち遠しい気持ちで一杯だった。

試合前に監督が僕らに円陣を組ませる。


僕ら以外のメンバーは緊張しているのが分かった。

笑顔がぎこちないし、動きが固い。

監督は僕らの顔を順番に見回し、最後にニヤッと笑った。


「緊張しているなぁ・・・」


監督がそう言って笑う。

みんなガチガチだ。


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