夏のカケラ
「お前、いつからいたんだよ!」

僕は慌てふためいた。

「カーペットをむしりながら、ブツブツと独り言を言ってた位から」

声を掛けろよ・・・

「うわぁ、キモ〜いって思ってたの」

確かに・・・

マイはそう言うと、ベッドに腰掛けた。

「・・・試合見てたんでしょ?」

「その為に練習を午前中だけにしたからな」

僕は立ち上がり、テレビを消した。

「あ〜・・・監督は必ず一人で見ろって言ってたけど、こんなの一人で見たら、余計イライラが募るな・・・」

僕はそう言って、ベッドに寝そべる。

「それが狙いなんじゃない?」

マイが首を後ろに向けて、僕を見る。

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