夏のカケラ
夜明け前
六月に入り、雨が多くなった。


梅雨の到来だ。


雨が降ればウチのクラブは練習中止だ。


野球部だけじゃ無しに、他のクラブも同様だ。


「雨の日に練習して、怪我したら元も子も無いだろう」


先輩らはそう言って帰って行った。




僕はアキラとカズ、そして同じ一年のクロとタケルの五人で部室に残り、トランプをしていた。


クロは黒田健二。守備位置は僕と同じく、キャッチャーを希望していた。


タケルは山田タケル。守備位置はセンター。


タケルは結構上手い。


だけどクロの上手さは、僕と同じ位・・・つまり、あまり上手く無い。
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