夏のカケラ
さっきまで晴れていた、夏の空が曇り出していた。


バックスクリーンのスコアボードに4の数字が刻み込まれる。

マウンド上にいる、ケンの目が泳ぎ出した。


ワンナウト二塁、三塁、4対1。

この回に一気に4点を奪われた。


打たれた・・・


ケンの球を簡単に打たれていた・・・


連打を浴びて、ミスが連発した。


それにより、更に点が入る。


僕らはマウンドに集まっていた。

ベンチからクロが伝令として、走って来る。


「アイツらは・・生野の奴らは最初からケン狙いだ!」


クロが口許を帽子で隠しながら話す。

僕はその瞬間に全てが繋がった。


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