夏のカケラ
マイはそう言って笑った。

ヒロも笑う。


二人は再び歩き出した。


「まだ・・・現実感がねーな・・・」

ヒロは呟く。

「私も・・・」


虫の鳴き声が聞こえる。


夏の夜だな・・・


マイは歩いているヒロを見る。


ホント・・・夢みたいだ・・・


ヒロが・・・


あのヒロが・・・甲子園・・・


ずっと夢見ていた場所に・・・


ヒロが立てるんだ・・・


マイは鼻を啜った。


また涙が出て来たのだ・・・


今日、何回泣くのよ!


マイはそう思って涙を拭いた。


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