夏のカケラ
マイも恥ずかしそうに答えた。


沈黙が流れる・・・


僕がマイをチラッと見た。


マイと目が合う・・・


二人共、目を逸らした。


蝉の鳴き声だけが響いていた・・・


僕もマイも黙っていたが、やがてどちらとも無しに笑い出した。


「何を照れてんだよ!」

「そっちこそ!」


二人で笑う。


笑い終えると、僕は窓の柵に肘を置いた。


「なあ」

「ん?」

「飯でも食いに行くか?」

「・・・行く!」

「じゃあ、用意しろよ」

「分かった、じゃあ一時間後に家の前で」

「了解!」


そう言って僕らは笑った・・・


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