全力投球~諦めたくない夢~
「あたし、中学1-3年の始まりまで創太君と付き合ってたの。」
そ、そうなの?
創太、そんなこと一言も言ってなかった。
「でも、あたしはまだ好きなのに別れることになったんだ。創太君のこと忘れられなくて先生に無理だって言われてたこの高校に入学した。」
「・・・少しして、創太君と柳瀬さんが付き合ったことを聞いたの。悔しくて、柳瀬さんに意地悪しようと考えた。それから野球のルールを勉強して、夏の決勝戦を見に行った。あたしはね?柳瀬さんが負けるところを写真に撮って意地悪するつもりだった。でも!!」
「逆に柳瀬さんの・・・ファンになったの。
学校が始まって、柳瀬さん宛の手紙を下駄箱の中に入れようと思った。そしたら・・・ぐしゃぐしゃに入れられた紙が溢れだしたの。他の野球部の下駄箱にはなかった。だから、柳瀬さんが登校するまで気づかれないように処分してたけど昨日は出来なかった。今朝も柳瀬さんに見つかって・・・
柳瀬さんはあたしが犯人だと思ったでしょ?・・・別にそれでよかったの。まさか呼ばれて全部話すことになるとは思わなかったけど・・・」
「・・・話してくれてありがとう。あの紙処分してくれてたの希桜ちゃんだったんだね?」
希桜ちゃんは、涙を流しながら頷いた。
「希桜ちゃん。私、希桜ちゃんのこと犯人だって思わなかったよ。最初から・・・だって紙をカバンに入れたところ見えたんだもん。嫌な思いさせてごめんね?」
「違うよー。あたしが悪かったの。ごめんなさい。」
「ありがとう。希桜ちゃん。
希桜ちゃんはもう友達だね。友達だから、ごめんって言わないで?」
「・・・ありがとう」