全力投球~諦めたくない夢~
「ママーっ
ただいまー!!!」
「おかえりー!!!」
あれから10年。
私には、子供が産まれた。
双子のお兄ちゃん希(ノゾミ)と
妹愛(マナミ)
旦那さんは、もちろん創太。
今日は2人が入団してる少年野球の試合があった。
「ママっ今日ね、うーんと・・・打ったのっ!!!うーんと・・・一塁まで走ったよっ!!!」
「すごいじゃんっ!!!」
「ママーギューしてっ!打ったからギュー」
「はいはいギュー」
甘えん坊の誉は、打つと必ず
ギューして
と駄々をこねる
「ただいまー」
あ、創太も帰ってきた。
愛を抱っこしてるけど、愛泣いてる?
「おかえりっ
あれれ?愛どーしたー?なんで泣いてるのかなー??」
シクシク・・・
泣いて答えることのできない愛の代わりに創太答える。
「代打で出たんだけど、自打球が当たったんだよー痛かったらしくて大泣きしてさ・・・
大変だったよ・・・」
そういいながら愛を私に任せようとする
「そっか、痛かったね
よしよし、」
「ママーヒックんー(泣)」
ほんと泣き虫なんだから・・・
甘えん坊に泣き虫な2人は、私の大切な宝物。
2人を産んで、私は病院から出ることが出来なくなった。
それに、毎晩白い手が
こっちにおいで
って手招きする。
けど、まだそっちにはいけないよ。
お母さん。
・・・だんだん近づいてくる手は、
もしかしたら私の余命を表してるのかも・・・
なんて考える毎日。