blue part2
ゆっくりとした足取りで私の向かい側に来て、座り込んだオジサン。




不思議とシャーペンは手から離れていた。





「家族はまだ苦手かい?」




「苦手というか…分からないんです。」




分からない…。





今の私に一番似合っている言葉。






遠くを見るような目になるのが分かった。





私の言葉を聞いてもオジサンは静かに私を見つめている。





転けた子供…




自分立ち上がるまで待っている親…




きっとこんな感じなんだろうな。



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