Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩


キスされて、ましてや押し倒されているこの状況に着いて行けずパチクリと目を見開く。


「…ゆ、悠里…?」


押しつけられただけの唇はそっと離れて耳元に。

ぽつんと呟かれた言葉にどくっと胸が鳴った。


…え?

え?え?
今、なんて言ったの?

だって聞き間違いじゃなければ………


かーっと顔が熱くなる。
心臓がどくどく騒ぎ出す。

動揺していた私は、はっと我に返った。


「ちょ、あのっ、悠里!?」


いつの間にかパジャマが肌蹴られていて露わになった胸元に悠里が顔を寄せる。

柔らかな髪の感触が肌を擽って身を捩る。

くすぐったいっ
……って、それどころじゃなくて!!

ジタバタ暴れてみたけれど、圧し掛かられた状態では身動き一つ取れなくて、掴まれた手さえも外せない。

チュッと吸いつくような感覚に、びくっと体が震える。


「ゆぅ…りっ」


以前からスキンシップは多い方だと思うけど、これはちょっと違うんじゃないかなっ。

姉弟ですることじゃないと思うの。


だけど…それなのに…

悠里の唇がなぞる皮膚がゾクンと傍立って、身体を熱くする。

溶けてしまう。

弟なのに気持ちイイなんて思ってしまうのは、私が初めての経験だから?

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