Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩side story☩04☩

☩ ☩ ☩

☩悪夢☩

☩ ☩ ☩








「…何だ?今日はやけにご機嫌だな。」


所は『ASTRO』

書類片手に試作室を訪れた須藤は悠里を見るなり気持ち悪そうに眉を顰めた。


「え?いつもと変わらないですよ。」

「「どこが。」」


悠里の返事に須藤と共に久保塚も突っ込む。


「聞いて下さいよ須藤さん。柏木さんの仕事が早いのは結構な事なんですが始終鼻歌が出そうな満面の笑みでとにかく不気味なんですよ。」


ともかく傍目にはヘラヘラして見えるくせに仕事スピードはハンパなく、そのギャップが薄気味悪いのだと久保塚は震えた。


「ふふふ…。実は昨日、姉さんが悪夢にうなされましてね……」

「「ドSか」」


須藤と久保塚が同時に突っ込む。


「しかし意外だな。オマエの事だから、悪夢といえども姉を苦しめるなんて言語道断、などと息巻くと思ったが。」

「ですね。童話の王子様の如くに悪夢に闘いを挑む(そして勝つ)のが柏木さんだと思ってましたが…。」


< 289 / 333 >

この作品をシェア

pagetop