Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「風邪引いて徹夜で看病なんてのはお約束。」
「泣いて助けを求めれば、例えその原因がゴキブリだろうと、夜中だろうとどこにいようと駆けつけるって。」
「お風呂上がりの髪の毛のブラッシングとか率先してやりたがるって~。」
「最高級の無添加美容品を態々取り寄せるとか。」
「友達とお出かけした先で雨に降られたりでもしたら、傘持って現れるんですって!!」
捲し立てる二人に、ドン引き気味の清雅クン。
「それって悠里のコト?…そうなの、悠里はすっごく優しいんだか―――」
「「天然はシャラップ」」
「ヒドイッ。私天然じゃなーい。」
店長がやれやれを首を振る。
「アタシも大概過保護かとは思うけどォ負けるわぁ~。」
どさくさ紛れに清雅クンにハグしようとした店長が軽く殴り返されて、「いけず~」と身悶える。
そんなやり取りを見ながらチューハイをちょっと舐め、はふっと溜息を吐いた。
…そうか。
ひょっとしてとは思ってたけど、やっぱり悠里って過保護なんだ。
というか、私は弟に甘やかされ過ぎなのか。
パパは動物病院の獣医さんで、悠里のママ、笑子さんも他の動物病院で助手として勤務していて、それで知り合って再婚したのだけども。
結婚してから笑子ママもパパの病院へ入って二人で忙しくも楽しい動物病院勤務。
二人とも仕事に誇りとやりがいを持っている。
そんな親二人を余所に、家に残された私と悠里がとっても仲良しさんになるのも当たり前の経緯だと思う。
だっていつも一緒にいたものね。
私だって新しい弟に認められるようにこれでも頑張ったんだよ。
尤も年下といえども何でも出来てしっかり者の悠里に助けられる事の方が多かったけども。