Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「“悠里と麗那さんはどんな関係なんですか?”」
それを聞いてハムサンドを頬張っていた麗那さんはふっと笑み割れた。
「あらあら。アンタにしちゃ上出来の質問じゃない。」
…それは貶されてるのでしょうか。褒められてるんでしょうか。
非難っぽく見詰めていると、麗那さんは租借していた物を嚥下して徐に言った。
「アンタ、私の苗字知ってる?」
「へ?……名取、さん?」
「じゃ、アンタが働いてる靴屋の名前は?」
「ナナトリ!」
「何か気付く事は?」
「えっ?えーと…ちょっと似てる?」
話しの終着点が分からないながらも、一生験命答えてみれば、麗那さんはまた突拍子もナイ事を続けた。
「ウチのジイサン、名字を屋号にするって捻りがナイって言って“な”を足したらしいけど、得意になるほど大した捻りじゃないわよね~。」
「……へ?」
「私、創立者の孫なの。もっとストレートに言えば現社長の娘なのよね。」
…………えええええっ!!
ビックリして飛び跳ねた私を麗那さんは冷静に『静かにおし!』と窘めた。
そんなコト言ったって…麗那さんが社長令嬢!?
知らなかった。
わぁ~社長令嬢って見るの初めて。
まじまじと麗那さんを見詰めていると麗那さんは面倒臭そうに肩を竦めて話しだした。