【短編】友達彼氏






雨の音って、こんなにうるさいんだ。
そんなどうでもいいことに気付かされるほど、静かな会話。




「友達、ねぇ・・・」


「・・・・・・」


「それ、ほんと?」



光の通わない冷めた瞳で私の表情を伺う。
牧瀬にはよく「成美ちゃんて冷めてるね」と言われるけど、加藤のほうが数倍冷めてると思う。
私の身の回りにはいないタイプだから、とくべつ、目についてしまうのだ。



「少なくともあいつは、そう思ってないと思うけど」


「・・・・・・・」


「なにその顔」



そんなに変な顔をしていたつもりはないけど、別れるって言い出したのは向こうだ。

それってつまり、もう私は『彼女』ではなく『友達』って。
そういうことでしょ。





< 15 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop