【短編】友達彼氏
雨の音って、こんなにうるさいんだ。
そんなどうでもいいことに気付かされるほど、静かな会話。
「友達、ねぇ・・・」
「・・・・・・」
「それ、ほんと?」
光の通わない冷めた瞳で私の表情を伺う。
牧瀬にはよく「成美ちゃんて冷めてるね」と言われるけど、加藤のほうが数倍冷めてると思う。
私の身の回りにはいないタイプだから、とくべつ、目についてしまうのだ。
「少なくともあいつは、そう思ってないと思うけど」
「・・・・・・・」
「なにその顔」
そんなに変な顔をしていたつもりはないけど、別れるって言い出したのは向こうだ。
それってつまり、もう私は『彼女』ではなく『友達』って。
そういうことでしょ。