【短編】友達彼氏





「・・・・・・・」


「・・・・・・・」



なんで、何も言わないんだ。
あ、また、俯いた。
私は立ち上がって、下から、私より少し背の高い牧瀬の顔を覗き込む。



「・・・・なに、」


「もう、一緒に、帰れないの?」


「・・・だってさ、それ、相合い傘するってことでしょ」


「私はいいよ」


「いや・・・だめでしょ、」


「なんで?」


「・・・・・・・」


「友達、だから?」



黒い髪の隙間から微かに覗く耳までもが、赤い。
触れたらやけどするくらい、熱いんだろうか。




< 21 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop