【短編】友達彼氏
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
なんで、何も言わないんだ。
あ、また、俯いた。
私は立ち上がって、下から、私より少し背の高い牧瀬の顔を覗き込む。
「・・・・なに、」
「もう、一緒に、帰れないの?」
「・・・だってさ、それ、相合い傘するってことでしょ」
「私はいいよ」
「いや・・・だめでしょ、」
「なんで?」
「・・・・・・・」
「友達、だから?」
黒い髪の隙間から微かに覗く耳までもが、赤い。
触れたらやけどするくらい、熱いんだろうか。