【短編】友達彼氏
「・・・・・は、」
「・・・・・・・」
「は・・ははは・・・・多分って、微妙だなぁ・・・」
なんて渇いた笑い声。
ひきつった、笑顔。
そんなもので、誤魔化せるわけないのに。
ザー・・・・
「それにしても、雨、すごいね・・・」
「牧瀬、傘持ってる?」
「うん、成美ちゃんは?」
「持ってない」
「そっか・・・じゃあ、オレのつかう?」
ちょっとまってて、と牧瀬は私に背を向けて、傘立てからビニール傘を一本取ると、犬みたいにぱたぱたと戻ってきた。
差し出されたそれは、柄の部分に黒いマジックペンで『マキセ』と大きく記されている。
これは、牧瀬に恨みでもない限り、盗られることもないか。
でも、
「・・・でも牧瀬は、どうするの」
「オレは大丈夫だよ、なんか、適当に誰かに入れてもらって帰るから」
「・・・・ねえ、」
「ん?」
「一緒に、帰ろうよ」