もう、明日がないなら…
 彼女の白い肌に同じガウンを肩にかけると、彼の大きな手の平が美妃の白くて華奢な左手を優しく包み込む。軽くキスした後、さっき取り出したあの箱から取り出した小さなリングを彼女の薬指にはめたのだ。

 そのリングには今まで見たことのないような大きな石が、優美な光をまとっていた。

「初めて出会った時から、決めてたんだ。…愛してるよ」

 返事をする間も与えずに、雄哉は驚いた顔のままの彼女の唇を塞いでいた。さっきまで貪るように奪い合ったはずなのに、火が付いたように、そのたくましい腕は彼女を押し倒していた。二人の体温が微かに上がる。美妃もそれに答えるかのように、雄哉を受け入れていた。

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