瑠璃一味のお戯れな学園生活

見たもの全てを信じてはいけない

いつの間にか、野菊と咲花は手を繋いでいた。

ミシミシと音を立てる古びた板張りの廊下を、慎重に、慎重に進んでいく。

もうすっかり暗くなってしまっている。

極度に視界は悪くなってきていた。

突然前方から何かが飛び出してきても、分からないかもしれない。

対処が遅れる。

それだけで命取りだ。

その証拠に。

「きゃあぁぁあぁあぁぁあぁっ!」

二人の脇を掠めるように走り抜けていった影に、悲鳴を上げてしまう。

廃屋のどこかにある隙間から忍び込んだ猫が、二人に驚いて逃げただけだった。

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