瑠璃一味のお戯れな学園生活

『山籠もりに行きます』

「やはり、道場の中だけの修行では限界があると思うのだ」

唐突に、瑠璃が言い始めた。

夕城道場での稽古の帰り道。

長兄の言葉に、めのうと孔雀は首を傾げる。

「道場で修行しないなら、何処で修行するの?」

「ここはひとつ、山籠もりでもするか」

真面目な顔をして瑠璃が言う。

人工物ではない、天然の起伏に富んだ地形の中での稽古は、普段使わない筋肉を使う事もあって、いい鍛錬になるという。

所詮人間界での修行では、人間レベルを超越する事はできないとは、某武道家の言葉だったか。

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