瑠璃一味のお戯れな学園生活

一回戦第二試合

面白い漢がいる。

まだ封印の中にいる頃、父の臥龍はそんな事を龍之介に話した。

人間を面白いと称するのは、宿主・丹下 龍太郎に続いて二人目だった。

しかもその漢というのが、宿主を半死半生の目に遭わせた剣豪というではないか。

『臥龍と呼ばれ、大陸より渡り、天神の地を蹂躙した我に、些かも媚びぬ。それどころか胸倉を摑むのだ。たかだか百年程度しか生きられぬ人間にもかかわらず、だ』

短い時間しか生きられぬ人間は、命を何よりも貴重と考える。

故に生命を脅かす存在には、絶対に逆らわぬと思っていたのに。

『あれは実に面白い。生かしてその生涯を見届けてやろうと考えたのは、宿主以来だ。奴は面白き生涯を送るだろう。奴がどう生き、どんな子を成し、どんな死に様を晒すのか。実に興味深い』

臥龍が面白いと称した二人目の漢、夕城 翡翠。

臥龍の期待通り、彼は三人の子を成した。

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