瑠璃一味のお戯れな学園生活
『龍』のつく人達のそれぞれ
タイマントーナメントが終わり、天神学園には日常が戻ってくる。

まぁ日常といっても、密かに夕城の指南役と橘の長女が婚約指輪を交わしていたり、10月の末にはハロウィンを控えていたり、まだまだ賑やかな催し物の気配はするのだが。

とりあえず、いつもの天神学園。

「よっと」

龍之介は夕城道場で、道着の帯を締める。

タイマントーナメントが終わったら、修行は終了かと思っていたのだが、先日の食事会で、こはく師匠にまだ修行は終わっていないと告げられた。

やっぱりあれか、四季・色彩銘刀"駄作"無銘、なんて名前を付けたのがまずかったか。

誇り高い夕城の奥方だ。

『駄作』と名のついた弟子の手刀を、『駄作』のまま終わらせる筈がない。

こないだなんて鍛え直すと言って、龍之介の右手を学園のゴミ焼却炉に押し込んだ上で鎚で殴ろうとした。

いやいや奥方、鍛え直すの意味が違います、一応龍之介の手もナマモノなので。

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