通学恋愛
「渚?」


「…シュンくん…?」


いつの間にいたの??


てか、練習…は?


シュンくんの視線は、反射的に隠したケータイを追っていた。


でも、すぐに外れて、あたしを見た。


「補習どう?」


また優しい笑みで、シュンくんが聞いてきた。


その笑顔に、心があたたかくなる。


うざったい暑さも、セミの声も、穏やかに思えた。
< 224 / 370 >

この作品をシェア

pagetop