オレンジ色
 俺が商店街に着く頃には、もうすっかり暗くなり始めていて。

昨日約束したオレンジ色の空の時間、は終わっていた。

 約束も守れなくて、でも勇気も自信もなくなってる俺にはちょうど良かった。

 でもきっと祐也は待ってるに違いないって、心のどこかでわかってた。

祐也は、いつも、俺が何しても優しく笑ってたから。

 その笑顔が好きだったから。

 そのしぐさが好きだったから。

 俺にぶつける言葉が好きだったから。

 声が好きだったから。

 指先が好きだったから。




 口調も、態度も、祐也を作るすべてが。

 


「もう、とっくにオレンジ色じゃなくなったぞ」

 商店街の入り口で、俺は顔も上げずにそう言う。

「約束破ったのはそっちなのに、態度が大きいね」

 やはりそこにいた祐也はそう答えて。

 俺の胸はもう爆発しそうになってるのに。

「昨日、言ってたの、だけど」

 そこまで言ったら、まだ何も重要な事は言ってないのに、涙が出てきた。

 それ以上しゃべれなくなって、泣いてるのがバレたくなかったから、下を向いて。

何度も息を飲んで、涙が止まるのを待った。

 なかなかそれはおさまってくれなくて。
 オレは胸を押さえてうずくまった。

「シン・・・? 具合悪いの?どうしたの?」

 頭の上から声を聞こえると共に祐也の手がオレの頭に触れようとした。

 でも、今、そんなこと、されたら、

「触るなっ」


 オレは、壊れるから。
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