こんな能力なんていらなかった—鳥籠の中の鳥は愛を詩う—



 だが、そのまま倒れていられるわけがない。


「おねが……やめ、て」


 銃を構える男に縋り付く。

 男はフィリアムを払い除けるとただ一言呟いた。


「次は左足かな」


 ちきり、と男の持つ銃から音が鳴る。


 そして、指が動き、乾いた音が——



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