誠の華






「……これで、終わり、か」


ハァハァと肩で息をする山崎は気絶している
男達を見た。


まったく。こっちは疲れているというのに…。

はぁ、と溜め息をこぼす。
後ろを向けば黙ってお座りしている狼がいた。

「逃げても良かったんだぞ」


苦笑すると狼は頭を振った。
そうか、と一歩踏み出したその時

「え……」

狼の周りを淡く光が包み込んだ。
呆然とその光景を見ているといつの間にか
狼がいた場所に、
腰に刀を差し黒い長髪をおろし
薄い紫色の着流しを着た男、否、女が
立っていた。


何が…起こっている?


「あの……」


目の前の光景を頭の中で整理しようとした時
突然、口を開いた女。


「え?あぁ、なんだ?」

「怪我の手当てありがとうございました」

「…………………………は?」



どうも自分は今、正常な考えができていないようだ。
いつもならすぐ頭が回るのに
こんな時に限って回らない。
しかし、目の前の光景を整理すると、まさか…


「さっきの狼……?」

「はい!そうです」


多分、今彼女に尻尾があればブンブンと
振ってあるであろう、と思うくらい
嬉しそうな顔をしている。

あぁ、素直な子だ。



……………………いやいや、今それを思うのは
おかしい。

どうやら、この暑さに相当参っているようだ。



「ごめんなさい。急にこんなこと
言われても分かりませんよね…」

「え?あぁ、いや……」


あまりにも悲しそうな顔をする彼女に焦る。
彼女の素直すぎる性格に

(なんだか、調子が狂うな……)

本来の自分ではいられない。



「どーゆうことか話してくれるか……?」

任務以外で面倒事などごめんだ。
だが、今のこの状況も興味深いし

「はい。では、日陰がある所に座りましょう」

自分はこの目の前にいる向日葵のような笑顔の
彼女と一緒にいたいらしい。
そんな自分の感情に驚きながらも
彼女と一緒に地べたに座った。



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