シュシュ~番外編①~
4.結ばれた赤い糸?!
…結ばれるはずのない赤い糸が、結ばれた。

そんな気持ちだった。


その日から、オレと、美織の恋人としての付き合いが始まった。

互いの気持ちは通じたが、美織のオレに対する怯えようは、

前にも増して、ひどくなったような気がするのはオレだけだろうか?


互いの仕事が忙しく、週に1.2度会えればいい方で。

それが原因の一つでもあるのだろうが・・・


今日は、週末。美織が次の日が休みだと言う事で、

夜に待ち合わせをした。

会社から、直接大泉の会社に出向く。

…会社の外には、美織の姿があった。


車を横付けし、後ろから美織に近づく。

そして、美織の肩に触れた。

「美織」

「?!!!」

「・・・」

飛び跳ねてしまう程、美織は驚き、オレから二歩離れ、振り返った。

…オレは不審者か?

そう思うと、なんだか腹が立って、不機嫌な顔になる。


「…龍之介さん、こんばんは」

バツが悪そうに、美織が肩をすくめた。


「・・・行くぞ」

少し冷たい言い方だったかもしれない。

美織はオレの一歩後ろをついてくる。

…これくらいで怒るオレは、子供だな。大人げない。

そう思うと、情けなかった。
< 37 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop